【ユング心理学】内向的感覚(Si)の特徴と性格
内向的感覚(Si)
(Si)略=introverted sensing
内向的感覚(Si)の特徴
・過去に5感で感じたことを鮮明に思い出せる
・コミュニケーション能力は低い
・オタク的側面がある
・人よりもモノへのこだわりが強い
・ルーティンワークは得意
・自分のこの感覚機能を他人と分かち合うのは難しい
・自分だけの世界を持っている
・自分の中からこみ上げる独特の感覚がある
・独自の好きを追い求めその世界で楽しむ
・一人でも楽しい
・自己完結
・ファッション、食にはあまり興味がない
・異性にあまり興味がない
内向的感覚(Si)が強い場合過去と現在が結びつき、過去に起きた出来事や現象が強く思い出されます。
現在のその物事が過去のどの経験と結びつきが強いかを考察し、自分の過去の情報を重視します。
内向的感覚(Si)は自分の中から湧き上がる感覚を大切にしている人です。
いわゆる自分の独自的な世界観を他者と共有することはないオタク的な側面を持ちます。
例えば、フィギュア、カードゲーム、コレクション、ゲーム、プラモデル、鉄道…etc
他人との交流よりも、これら自分の好きなモノをひたすら追求しこだわり続け、自分の好きな世界で楽しみます。
なぜ内向的感覚の人がオタク的になるかというと、過去に自分の好きだったモノやコトに関する記憶と現在を強く結びつけるためです。
例えば、一人遊びが好きだったときに遊んだモノやコトの経験は自己の中で特別な存在として昇華され、再度現在において過去に好きなモノやコトまたは類似しているモノを結びつけその時の感覚を自己の中から呼び覚ますことができるからです。
過去に5感で感じた経験を現在でも鮮明に覚えていて、それを現在と結び付けられます。
過去にモノやコトに関する強烈な感覚を有していますが、一方で人に対する興味は薄く
他人に対しての興味関心はあまりないため、例え同じ趣味を持つ相手がいて仲良くなったとしても、その関係は趣味に関する範囲に収まることが多いです。
「あの人はこのアニメのこのキャラが好きな人」という認識で収まり、その人が現時点悩んでいることや家族構成といった背景に興味を持つことは少なくなります。
また人間関係といえば、内向的感覚Siが強い人は異性との交流に抵抗を持つ傾向にあります。
・興味はあるけど積極的になれなかったり
・異性に恐怖を抱いたり
・全く興味がないこともあったり
このように抵抗を持つというのも内向的感覚Siのその人によってさまざまです
日本で増えている内向的感覚(Si)が強い人
最近内向的感覚Siが強い20~30代が増えているといわれています。
それは「日本社会の構造上的なもの」と「幼少期のコミュニケーション不足」が影響していると考えられています。
構造的なものとは、例えば日本の教育です。
日本の教育の特徴といえば、知識詰込み型の勉強方法や実用的ではない受験テクニックを学ぶことが多いですが、これらの勉強方法は内向的感覚が磨かれていく原因となります。
分かりやすいのは日本の英語の勉強方法などです。
日本の英語教育は一方的に先生が話したり家では一人でユーチューブでリスニングの勉強をしたりと、基本一方通行で一人でできる勉強方法です。これは内向的感覚を磨く行為になります。
その結果、英語文法や単語は他国と比べても圧倒的な高水準レベルですが、簡単な英語で会話が全くできないのも日本独特の勉強方法による特徴です。
また近年衛生面の過剰向上が叫ばれたり、コロナ渦による影響で子供時代に同世代と「遊び」の経験が減り、一方で一人で遊ぶ時間が増えました。これも内向的感覚が磨かれる「遊び」です。
そのため最近の日本では内向的感覚を強く持つ人が多くなっています。
その証拠に10~20年前に子供の頃実際に遊んでいたポケモンカードや遊戯王などのカードゲームを
大人になった現在、再度コレクションしようとする人が増え、カードの値段が爆上がりしてても購入する人が多いのは内向的感覚(Si)が強い傾向にある人が増えたからです。
内向的感覚(Si)が強いMBTI
内向的感覚を補助機能に持つMBTIは「ESFJ」「ESTJ」
内向的感覚(Si)の長所と短所
長所
・同じ失敗は繰り返さない
・繰り返しの作業が得意
・勉強ができる
・攻略法を見つけられる
・一人で楽しめる
・体の異変にすぐに気づく
Siが強いタイプは過去と現実を上手く結びつけることができるため、過去に失敗したり成功したりというパターン化の取得が非常にうまく、
過去にした失敗は避けることができるようになります。
またこの機能を使うことで勉強や仕事の攻略方法を見つけられたりするため、同じ作業を繰り返す中で質を常に向上させ続けることができます。
また過去と現在を鮮明に比較することができるため自分の体の異変にも気付きやすいです。
短所
・他者に理解してもらうことをあきらめる
・コミュニケーション力が低い
・変化に弱い
Siが強いタイプは自分の世界観やモノへのこだわりやすばらしさを他者に表現することは非常に苦手に感じています。
そのため他者に関心が薄い一方で、実は他者に理解してほしいという矛盾した葛藤を抱えている場合があります。
しかし、コミュニケーション力が弱いため自分の世界観を他者に発信できずにいます。
そのため自分なりのこだわりを他者にうまく発信することができるようになると内向的感覚を強く持つ人の成長へとつながります。
まとめ
内向的感覚Siは過去に5感で感じた経験や記憶と現在を結びつける力がある認知機能です。
そのためモノやコトにこだわりを持つタイプが多くなりますが、そのこだわりを自分の言葉で相手に説明ができるようになると人間的に成長することができます